シアターP の呟き(もしくは嘆き)

非実在性OL問題

OLとは何だろうか、何者であろうか。

 

 

そもそもOLと呼ばれる人たちの仕事の内容はおそらく異なっている。貿易会社の対外交渉部と製薬会社の新薬開発部とソフトウェア開発会社の受付嬢の仕事は多分違うんじゃないだろうか。皆が皆お茶汲みしか…ということはないのではないか(「お茶汲みも…」かもしれないが)。

 

 

おそらくこれはサラリーマンに対応するように生まれた言葉なのだが、そもそもサラリーマンという言葉も不思議な言葉だ。「給料男」。しかし「給料」の「男」ではない、そんな仙人みたいな奴はニートや引きこもりを除けばほとんどいないであろう。

 

 

OLに戻ろう。サラリーマンとOLの言葉の違いはOLと聞いただけではオフィス・レディの訳を連想出来なければ意味が分からないところだ。サラリーマンはサラリーのマンなんだなぁ、と漠然と理解できるがOLはOのLなんだなぁ、とはならない。

 

 

ところで私はOLが好きだ。といっても私はOLと職場を共にしていないし、話したこともない。しかしスーツに身を包んだOLが向こうから不機嫌そうな顔で煙草でも吸いながら歩いてきたら、私はその副流煙を全部吸い込むだろう。これは何故なのか。

 

 

女性の就職に対する厳しい(らしい)男社会への非難と女性に対する同情なのだろうか。只、私は女性警察官や女性車掌の副流煙はあまり吸い込もうという気が起きない。同じように(もしくはもっと厳しく)男社会とやらの中で闘っているはずなのだが、OLに対する執拗とは程度を大いに異にする。

 

 

スーツが好きなのだろうか。それもあるだろう。私はスーツを着るのも好きだ。しかし着こなしはどうでもいい。高級ブランドだろうが、1980円(イチキュッパ)だろうがどうでもいい。

 

 

黒という色が好きであることもあるだろう。しかしこれだと女性警察官は藍色だから別として、女性車掌についてが説明できない。

 

 

女性車掌とOLの違いは何か。それは仕事内容が後者の場合十人十色で全く把握出来ていない、ということだ。女性車掌は多分電車を運転したりするのだろうし、女性タクシードライバーは多分タクシーを運転したりするのだろう、たぶん。しかしOLは…何をしているのだろう。

 

 

ある染物職人の本によると、黒という色は、太陽が沈み光を失ってものを見ることができなくなってきたときに入って行く闇の世界の色である。闇は恐怖であり、清らかさ汚れのなさを意味する白と対峙する。

また夜になると焚火をして灯りをつくり、それを食事に使い、天井にたまった煤で文字を書いたり器をこねたりすれば黒色になる。つまり人は黒という色を炎(赤)を通して知ったのである、らしい。

 

 

誰が言ったか「喪服の似合う女」。これは真実である。

 

 

赤でも白でもなく黒。この色への畏怖心と、(仕事内容に対する)不可知が「OL」という単語の神秘性を一層盛り立てている、ような気がする。

 

 

 

 

A:「まぁでもカーディガン着てるOLもいいですよね」

B:「困ったことにね」